こんにちわ。モリヤスです。
今週は柚木麻子さんの「幹事のアッコちゃん」という小説を読んだので紹介をしていきたいと思います。
おかっぱ頭の女社長
この物語の準主人公が『東京ポトフ&スムージー』の社長、黒川敦子。通称アッコちゃん。
『東京ポトフ&スムージー』はワゴン販売とジューススタンドをチェーン展開している。
おかっぱ頭の高身長、女社長…
いかにも成功者という感じがします。
そんなアッコちゃんが、3人の主人公に生きるヒントを5日間で教えていくというストーリーになっています。
*本のタイトルに「アッコちゃん」とあるので、アッコちゃんが主人公だと思ったのですが、あくまで3人の目線からストーリーが進むので個人的には、アッコちゃんは準主人公かなと思っています。
では、下記で印象に残った箇所を取り上げていきます。
自分が世界を引き寄せる
営業第二課の若手社員の涼平。
涼平は、内気で、合理的なことが好きな個人主義者。
若手社員のため、毎年恒例の忘年会の幹事を任せられているが、性格上そもそも忘年会自体を嫌っている。
そんなときに、たまたま「アッコちゃん」と出会う。
そして、アッコちゃんが幹事の忘年会に参加することで、幹事の極意を5日間で教わる。
自分が世界を引き寄せて貪欲に楽しむって考えるように変えたら、楽になれると思ったの」(P64)
これまで、他人との空間を自分の世界にするなんて考えたことありませんでした。とにかく他人が楽しんでもらえるよな空間にするという事ばかりを考えていたと思います。(できたかわかりませんが…)
だから自分は楽しめない→個人主義
ただ、この本を読んで、
自分の好きを押し殺すのではなく、自分の好きを前面に出して、全力で楽しめばいい。そうすればこれまでしんどかったことも楽に考えられるのではないかなと思うようになりました。
飲み会の幹事に限らずですね。
自分らしさ
ライターの赤井温子。
同じ歳、同じ大学出身の成功しているアッコちゃんに憧れや嫉妬心をもち、アッコちゃんのように変わりたいと思っている。
そんな温子が、アッコちゃんが経営する会社『東京ポトフ&スムージー』の記事を書くことになり、インタビューをすることになる。
そこで、5日間アッコちゃんと関わっていく中で徐々に温子の気持ちが変わっていく。
変わらない。自分はきっと変われない。そういう弱く平凡な人間だ。
(中略)
自分の時間を大切にすることを、もういい加減、許したい。若くも器用でもないのだからこそ、個人の時間をもっと優先しよう。(P121〜122)
「温子が自分の身の丈にあった自分らしい人生を楽しもうと考えた瞬間」だと個人的に思いました。
目標があってそれを達成するために変わろうとすることって素晴らしいことですよね。
ただ、変わろうとすることで娯楽を楽しむ時間を奪われたり、ストレスになったりする人がいると思います。
そういう時は、どっかで目標を諦めて、自分らしく今の時間を楽しむっていう選択肢もまた素晴らしいことかなと思わされましたね。
低姿勢の大事さ
アッコちゃんは、仕事終わりに多くの習い事をしている。そのうちの1つがけん玉。
集中力を養い、体幹を整える効果がある。なにより、世代の差を飛び越える最高のコミュニケーションツールらしい。
師匠はなんと小学生。(たぶん)
社長なのに?と思わず驚きでした。
ですが、年齢・性別・国籍関係なく、どんな人からも常に学ぶという謙虚で低姿勢な気持ちを持っているからこそ、ビジネスを成功させられるのだと思いました。
見習っていくべきところですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は紹介しませんでしたが、主人公はもう1人います。
生きていくヒント、変りたいと思っている方などにオススメしたい1冊です。
ぜひ気になった方は、読んでみてください。